【初心者用】ソフトウェアアップデート・パッチあて時の互換性・コンパチ確認方法

最終更新日 2024年10月24日

ソフトウェアアップデート・パッチあて時の互換性・コンパチ確認方法

この記事はこんな人におすすめ!

エンジニアに転職したけど、ソフトウェア製品のアップデートの際、互換性の確認はどの製品にどのように行うのか知りたい

ソフトウェアの互換性の確認をする際は、一般的にどのような手順で行うのか知りたい

記事の概要

仮想マシンで使用しているソフトウェアをアップデートしたら、今まで使用できていたソフトウェアが

うまく動かなくなることがよくあります。

サーバーのソフトウェアをアップデートする際に、どのソフトウェアと互換性を確認するべきか、

その方法を記載します。

私がこれまで普段の業務で行ってきたやり方をもとに記載しています。

ソフトウェア互換性の確認手順

ソフトウェアをアップデートする際は以下の手順で互換性を確認するのがいいと思います。

会社によっては少しやり方が違ってくるかと思いますが、基本的には同じなので、理解しておくといいと思います。

確認手順

1.サーバーの仕組みが記載されている資料の確認

2.資料確認の結果、関連がありそうな製品について調べる

3.アップデートするソフトウェアに接続されている製品を調べる

4.関連があると思われるソフトウェア製品との互換性を確認する

 サーバーの仕組みが記載されている資料の確認

まず最初に確認しなければいけないのが、資料の確認です。

当たり前かもしれませんが一番大事だと思います。

なぜなら、すでに作成されいてる設計等の資料は、作成当時に、今後の運用や保守のことを考えて

資料を作成しているからです。

ソフトウェアのアップデートや、パッチあてもこの保守業務の一環になります。

そのため、用意されている資料に、ソフトウェアのアップデートや、パッチあてを行う際に、

確認するべき情報が記載されている可能性が高いです。

その資料は具体的に何かというと、サーバー基本設計書、サーバー詳細設計書、
パラメータシートなどのお客様に成果物としてお渡ししている資料です。

これらの資料には、運用や保守に必要な情報がほぼすべて詰まっているので、とても重要だと思います。

それらの資料を参考にどのような観点で読み解いていくかというと、アップデート、パッチあてをする

ソフトウェアと関連がありそうなソフトウェア製品はどれか確認しながら読みといていきます

サーバーの仕組みが記載されている資料(サーバー設計書など)を参照して、

アップデートするソフトウェアと関連性がありそうなソフトウェアを確認するということです。

※「関連がある」とは、1つの処理を、そのソフトウェアが連携して処理しているなど、何らかの繋がりがあるという意味です。

<仮想マシン内のソフトウェアアップデート>

仮想マシン内のソフトウェアのアップデート、または、パッチあてを行う場合に知っておくと便利な知識を紹介します。

仮想マシンを構成するコンポーネントの中で、ソフトウェアのアップデートを行う場合、

同一の仮想マシン内のソフトウェアとは関連性がある可能性が非常に高いと考えてください。

そのため、仮想マシン内の一部のソフトウェアのアップデートを行う場合は、

同一の仮想マシン内に使用されているすべてのソフトウェアとの互換性を確認するものと思っていいです。


<見落としがちなもの>

関連があるソフトウェアの確認を行う際に見落としがちなものについて紹介します。

この確認を行う際によく見落とされてしまうのが、「バックアップ製品」や「監視製品」などです。

これらの製品も互換性があるかどうか確認する対象になります。
なぜなら連携して処理をしているからです。監視製品を例にとると、監視製品が、監視対象のソフトウェアの
動作を確認する必要があり、異常があるときは、メールなどで異常を知らせます。
この、異常を検知してメールで知らせるという処理を行っている場合、それらのソフトウェアは連携して
処理を行っているといえますよね。

そのため、バックアップ製品や、監視製品も関連性がある製品の対象に含まれます。

<資料の確認まとめ>

1.すでに作成されている資料(設計書など)は、運用・保守のこと考慮して作成されている
2.確認する必要がある資料は「サーバー基本設計書」「サーバー詳細設計書」「パラメータシート」など
3.アップデート対象のソフトウェアと関連性があるかどうかという観点で資料を確認する

関連がありそうな製品についてさらに詳しく調べる

「サーバーの仕組みが記載されている資料の確認」の章で、基本設計書などを、アップデート対象のソフトウェアと
関連性があるかどうかの観点で、資料を確認するということをご説明しました。

今回説明するのは、関連がありそうなソフトウェアの絞り込みが終わった後に対応することです。

関連がありそうなソフトウェアの絞り込みが終わったら、本当にそれらのソフトウェアが、
アップデート対象のソフトウェアと関連性があるのか確認します。

アップデート対象のソフトウェアと、絞り込んだソフトウェアと連携して処理を行っているかどうかを
確認する方法は2つあります。

1つ目は、そのソフトウェア製品について詳しく記載されている資料を確認することです。
この資料は、ソフトウェアを提供しているベンダーが、HPなどで公開している資料です。
技術的な内容が記載されており、読み解くのに大変時間がかかりますが、自分の勉強にもなります。
私もよくベンダーが提供している製品の仕様についての資料を確認しますが、
知らない用語や、技術が使用されており、読み込むのには時間と労力が必要になります。
しかし、この作業もエンジニアとして避けては通れない作業ですので、頑張って確認する必要があります。

2つ目は、ベンダーに直接確認することです。
アップデート対象のソフトウェアを提供しているベンダーに、テクニカルサポートとして、
「このソフトウェアとこのソフトウェアは関連性はありますでしょうか?」などと確認します。
ベンダーからの回答なので、信憑性が高い回答が得られます。

上記でアップデート対象のソフトウェアと関連があるソフトウェアの絞り込みが完了します。

<関連性の最終確認>

1.ベンダーが提供している製品の仕様が記載されている資料を確認する
2.関連性の有無をベンダーに問い合わせる

関連があると思われるソフトウェア製品との互換性を確認する

関連性があるかどうか確認した後、アップデートするソフトウェアと関連がありそうな製品との互換性を確認します。

互換性の確認方法はやり方が2つあります。

1つ目は、ソフトウェア互換性確認ツールを使用することです。

例えばVMwareは、製品の互換性確認の手段として↓のようなサイトを設けています。

Product Interoperability Matrix

上記サイトの使用方法については↓の記事で紹介しているので確認してみてください。

2つ目は直接アップデートするソフトウェア製品を提供している会社、サポートに確認することです。

ソフトウェア提供会社が提供している互換性確認サイトなどで対象の製品と互換性があるか確認が取れない場合は、

直接サポート会社に確認するしか方法はありません。

もし、サポート会社が互換性に情報を持ち合わせていない場合は、検証環境を構築して、問題なくアップデートが

出来るのかを検証するなどするしかないです。互換性の確認が取れないでアップデートを実行する場合は

リスクのあるアップデートになります。

基本的にサポートは、関連性がある製品との互換性の有無を確認しているはずです。

そのため、サポートが製品の互換性の情報を持ち合わせていない場合は、そもそも関連性がない可能性が高いです。

<互換性の最終確認>

1.ベンダーが提供している互換性確認ツールを使用する
2.互換性の有無をベンダーに問い合わせる

最後に

エンジニアの経験が少ない方にとっては、互換性の確認は意外と難しい作業になります。

なぜなら、関連性があるかどうかは、ほかのソフトウェア製品について知識が必要になるからです。

エンジニアになったばかりの方は、ほとんど知らない製品ばかりで、製品について都度一からどのような

仕様なのか、どのような技術が使用されてるのか、どのような情報をどこから持ってくるのかなど確認するかありません。

めげずに頑張ってください!