IT用語の「仮想的・論理的」という言葉が分かりにくい原因 IT用語の「仮想的・論理的」の本当の意味

最終更新日 2024年10月7日

仮想的、論理的とはどういう意味か?

この記事はこんな人におすすめ!

・IT業界で使われてる、仮想的・論理的ってどんな意味で使われているのか知りたい

・どうして仮想的・論理的って分かりにくいのか教えてほしい

・仮想的・論理的という言葉の意味を本質的に理解したい

記事の概要

IT業界でよく使用される「仮想的」「論理的」という言葉が何故かりにくいのか。

また、「仮想的」「論理的」という言葉の本質的な意味はどういう意味なのか。

この2つの問いに対する答えについて、この記事で解説します。

仮想的・論理的の本当の意味

仮想的・論理的の言葉の意味は「実質的に」という意味です。

あれ? 仮想的っていう言葉も、論理的っていう言葉も同じ意味なの? と疑問に思った方も多いと思います。
実は、仮想的という言葉も、論理的という言葉も、IT業界では、本質的には同じ意味で使用しています。
そのため、仮想的に・倫理的にという言葉が出てきたら、「実質的に」という言葉に置き換えると
正しく解釈することが出来ます。

仮想的に・論理的にの意味

仮想的に:実質的に
論理的に:実質的に

仮想的・論理的の言葉の意味は「実質的に」という意味

 

仮想的・論理的 という言葉が分かりにくい理由

私はずっとIT業界で仕事をしており、何回もこの仮想的・論理的という言葉を耳していますが、
これまでの経験から考えると、仮想的・論理的という言葉が分かりにくい原因は主に3つあります。

<原因>
1.「仮想的」と「論理的」の意味は本質的に同じ意味で使用されていること
2.IT業界で使用される「仮想的」という言葉は、我々が想像する「仮想的」の意味とは微妙に違うこと
3.「仮想的」「論理的」という言葉の意味を理解しないで使用している方が多いこと

これらの原因について、以降の文章で説明していきます。

「仮想的」と「論理的」の意味は本質的に同じ意味で使用されている

先ほどの「仮想的・論理的の本当の意味」の章で説明しましたが、
仮想的に・論理的にという言葉はIT業界の現場では、同じ意味として使用されています

経験上、IT業界では、論理的にという言葉よりも仮想的にという言葉を使用する方のほうが多いです。
仮想的と表現する方と、論理的と表現する方の両方がいらっしゃるため、
仮想的・論理的という言葉は、別々の意味だと思ってしまいますよね。

しかし、仮想的に・論理的にという言葉は、実際は同じ意味である、「実質的に」という意味で使用されているのです。

我々が想像する「仮想的」の意味とは微妙に違う

IT業界で使用される「仮想的」という言葉は、我々が想像する「仮想的」の意味とは微妙に違います。

どのように違うかというと、IT業界の仮想的という言葉は「実質的に」という意味で使用され、
それ以外の方が想像する仮想的にという言葉は、「それっぽく見えるが、現実には存在しないものを想像するもの」
の違いです。

先ほど、IT業界で使用されている「仮想的に」の意味は、「実質的に」という意味であることを説明しました。
しかし、IT業界で働いたことがない方は、「仮想的に」という言葉を耳にすると、
恐らく仮想現実や仮想世界などの、それっぽく見えるが、現実には存在しないものを想像するものではないでしょうか。
なぜなら、日本語の「仮想的には」という言葉は、それっぽく見えるが、実際は存在しない架空のもの、つまり、ほぼ現実
という意味で使用されます。

以下は仮想の定義です。

仮想:実際にはない事物を、仮にあるものとして考えてみること。仮に想定すること

「仮想」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書


ではなぜこのように、IT業界では、仮想的という言葉を、実質的にという意味で使用しているのか。
それは、英語の「virtual」という単語が「仮想」や「仮想的に」という言葉に訳されているからです。

英語の「virtual」という言葉は、日本語に訳すと、「仮想的に」や「実質的に」という意味を持っています。
しかし、なぜが海外のサーバーのマニュアルに記載されている英語の「virtual」という単語は、
日本語に訳されたマニュアルを見ていると、いつも「仮想的に」という日本語訳になっています。
本当の意味は実質的にという意味なのに、仮想的にと訳されているわけです。

IT業界では、海外のIT関係の製品を多く扱うため、海外製品の英語のマニュアルのvirtualが、
日本語のマニュアルでは仮想的にと訳されているため、このように、IT業界で使用されている「仮想的に」という意味が
日本語の「仮想的に」意味とずれている原因になっていると思います。

つまり、virtualという言葉の、英語から日本語への誤訳が原因で、IT業界で使用されている「仮想的に」という意味が、
日本語の「仮想的に」の意味とずれている原因になっている
ということです。

「仮想的」「論理的」の言葉の意味を理解しないで使用してる人が多い

「仮想的」「論理的」という言葉の意味を理解しないで使用している方が多いことも
仮想的・論理的 という言葉が分かりにくいことの原因の1つだと思います。

エンジニアとして働いているときに、先輩に、仮想的、論理的とはどのような意味か聞いたことがあります。
しかし、その先輩も普段よくわからずになんとなくのニュアンスで使用していると言っていました。

その先輩はエンジニア歴10年のベテランです。
ある程度の経験を持ったエンジニアも、よくわからずに、仮想的、論理的という言葉を使用しているのです。
その方は後輩の指導も行っています。
指導を行う人が誤ったニュアンスで、仮想的、論理的という言葉を使用していると、
それを教えてもらう人も、誤ったニュアンスで解釈してしまいますよね。

このように、仮想的、論理的という言葉を理解せずに使用している方が多いため、
余計に分からなくなってしまうケースもあるのではないでしょうか。

仮想的・論理的という言葉を正しく理解する重要さ

私が、仮想的・論理的という言葉を正しく理解する必要があると考えている理由を
簡単に解説いたします。

仮想的・論理的という言葉を理解する必要がある一番の理由

この仮想的・論理的という言葉を正しく理解する必要があると私が考えている1番の理由は、
この言葉は、エンジニアとして働く場合、一生付きまとう言葉だからです。

誤った解釈が原因で起きたこと

私もエンジニアとして働き始めた当初は、仮想的・論理的という言葉の意味を正しく理解していませんでした。
しかし、エンジニアの業務では、この仮想的・論理的という言葉は非常に多く使用されます。
そのため、仮想的・論理的という言葉を正しく理解していないということが原因で、
業務に支障が出始めます。

例えば、相手の話していることを誤った内容で認識してしまったことです。

お客様との会話の中で仮想的・論理的という言葉が使用されたがために、正しく会話の内容を理解できず、
お客様が話している内容について、誤った解釈をしてしまったことが多々ありました。

また、無駄に時間を浪費してしまったこともあります。

仮想的という言葉が、資格の参考書で登場しており、仮想的という意味を正しく理解していないがために、
参考書の説明している内容が理解できず、無駄に時間を使ってしまったりと、
様々なことの派生して支障が出ました。

そのため、仮想的・論理的という言葉は正しく理解する必要があると考えています。

最後に

仮想的、論理的という言葉について説明しましたが、
この言葉に関わらず、言葉の意味は正しく理解する必要があります。
なぜなら、誤った言葉の理解が、認識に違いを生み、後々大きな問題になるケースがあるからです。
この記事が正しい意味で言葉を理解するようになるきっかけになれば嬉しいです。


この記事を書いた人!

ゴリタン

インフラエンジニアとして、ネットワークとサーバーの運用・保守・構築・設計に幅広く携わり、
現在は大規模政府公共データの移行プロジェクトを担当。

CCNPやLPICレベル3、AWSセキュリティスペシャリストなどの資格を保有しています。