【Linuxのfreeコマンド完全ガイド】使い方、オプション、出力結果の見方から現場での活用事例まで徹底解説

最終更新日 2025年1月14日

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Contents
  1. はじめに
  2. freeコマンドの基本概要とインストール方法
  3. freeコマンドの主要オプションとその解説
  4. freeコマンドの出力結果を徹底解説
  5. 現場でよく使われるfreeコマンドのオプションと事例
  6. freeコマンドの利用用途と実践事例

はじめに

Linuxでのメモリ管理の重要性とは?

Linuxを使用する際、メモリ(RAM)の管理はシステムの安定性やパフォーマンスに直結する非常に重要な要素です。特にサーバーや高負荷なアプリケーションを運用する場合、メモリが適切に使用されていないと、プロセスの遅延やクラッシュ、さらにはシステム全体のダウンにつながる可能性があります。
そのため、リアルタイムでメモリの使用状況を把握し、必要に応じて適切な対策を講じることがシステム管理者や開発者にとって欠かせません。

Linuxでは、メモリの状態を確認するためのツールやコマンドがいくつか提供されています。その中でもfreeコマンドは、シンプルかつ直感的な方法でメモリ使用状況を確認できるため、初心者から上級者まで幅広く利用されています。

freeコマンドとは何か?

freeコマンドは、Linuxシステムにおける物理メモリとスワップ領域の使用状況を表示するためのコマンドです。以下のような情報を簡単に確認することができます。

  • システムに搭載されているメモリ容量
  • 使用中のメモリ量と未使用メモリ量
  • キャッシュやバッファに割り当てられているメモリ量
  • スワップ領域の使用状況

freeコマンドは、特別なインストールが不要で、多くのLinuxディストリビューションに標準で搭載されています。そのため、どんな環境でも手軽に使用できる点が魅力です。

freeコマンドを使うことで得られるメリット

freeコマンドを使うことで、以下のような利点があります。

  • メモリ状況の簡単な把握
    シンプルな出力で、現在のシステムのメモリ使用状況を一目で確認できます。例えば、「どのくらいのメモリが空いているか」「キャッシュが増えていないか」などをすぐにチェック可能です。
  • トラブルシューティングの第一歩
    システムの遅延や異常動作が発生した場合、メモリ不足が原因かどうかを素早く判断できます。必要に応じて、スワップ使用率やキャッシュ状況を確認し、次のアクションを決定できます。
  • サーバー監視やリソース管理の効率化
    定期的にfreeコマンドを使用してメモリの状況を監視することで、リソースの過剰消費や異常を早期に発見し、システムの安定稼働を実現できます。
  • スクリプトとの連携で自動化が可能
    freeコマンドの結果をスクリプトで解析することで、メモリが一定量を下回った際に警告を送るなど、自動化した監視システムを構築できます。

以上のように、freeコマンドはLinuxシステムにおけるメモリ管理において重要な役割を果たします。

本記事では、このfreeコマンドの基本的な使い方から、実践的な応用方法までを詳しく解説していきます。これを機に、freeコマンドを使いこなして、より効率的なシステム管理を目指しましょう!

freeコマンドの基本概要とインストール方法

freeコマンドは標準インストールされている?

freeコマンドは、Linuxの多くのディストリビューション(Ubuntu、CentOS、Debian、Fedoraなど)で標準的にインストールされています。そのため、特に追加の作業をせずにすぐに利用できる場合がほとんどです。

ただし、もしインストールされていない場合や、利用できないときは、以下のように簡単にインストールできます。freeコマンドはprocpsというパッケージの一部なので、このパッケージをインストールすることで利用可能になります。

主要なディストリビューションでのインストール方法

  • Ubuntu/Debian系の場合
    sudo apt update sudo apt install procps
  • CentOS/RHEL系の場合
    sudo yum install procps-ng
  • Fedoraの場合
    sudo dnf install procps-ng

上記のディストリビューションごとのコマンドを実施し、インストールが完了したら、ターミナルでfreeコマンドを実行して動作を確認しましょう。

freeコマンドの基本構文

freeコマンドの基本的な構文は以下の通りです。

free [オプション]

特にオプションを指定しない場合、デフォルトの設定でメモリ使用状況が表示されます。
この状態で得られる情報でも十分有用ですが、後述するオプションを利用することで、より細かな情報を取得できます。

freeの使い方

以下のようにコマンドを実行するだけで、現在のメモリ使用状況を確認することができます。

コマンド例

free

実行結果

                 total              used             free              shared      buff/cache   available
Mem:        8000000     4000000     2000000      100000     2000000     3500000
Swap:       2000000       500000     1500000

この基本的な出力で、物理メモリ(RAM)やスワップ領域の使用状況を確認することができます。

項目意味
totalシステム全体で利用可能なメモリの総量
used使用中のメモリ量
free空いているメモリ量
buff/cacheバッファやキャッシュに使用されているメモリ量
available実際に利用可能なメモリ量

これだけでも、システムのメモリ状態を簡単に把握できるため、初心者でもすぐに利用を開始できます。

freeコマンドは、特別な設定なしにシンプルに利用できる点が大きな特徴です。
次のセクションでは、オプションを活用したさらに便利な使い方について詳しく解説していきます。

freeコマンドの主要オプションとその解説

freeコマンドは、オプションを指定することで、出力形式や単位をカスタマイズし、より使いやすくすることができます。このセクションでは、よく使用されるオプションとその用途について解説します。

よく使われるオプション一覧

以下は、freeコマンドで特によく使用されるオプションの一覧です。
それぞれの特徴を確認し、自分の用途に合わせて活用しましょう。

オプション説明使用例出力例/用途
-h人間に読みやすい形式でメモリ使用量を表示(KB、MB、GBなど)。デフォルトのバイト単位より直感的。free -h出力例: Mem: 7.8G 4.0G 2.0G 98M 1.8G 3.5G
数字がGB単位で表示され、理解しやすい。
-bメモリ使用量をバイト単位で表示。非常に細かい精度で確認したい場合に便利。free -b用途: バイト単位で詳細なメモリ量を確認。
-kメモリ使用量をキロバイト単位で表示(デフォルト設定)。free -k用途: キロバイト単位で出力。デフォルトの単位。
-mメモリ使用量をメガバイト単位で表示。メモリサイズが大きい場合に便利。free -m用途: メガバイト単位での出力により、読みやすくリソース管理がしやすい。
-gメモリ使用量をギガバイト単位で表示。RAMが大容量のサーバーで便利。free -g用途: GB単位で大容量メモリの確認に最適。
--siSI単位系(1000バイト=1KB)でメモリ使用量を表示。デフォルトのバイナリ単位(1024バイト=1KB)とは異なる。free --si用途: SI単位での表示が必要な場合や、他のシステムとの単位統一をしたい場合に便利。

オプションを使った具体例

ここでは、freeコマンドにオプションを追加した具体例をいくつか紹介します。

メモリ状況を人間に読みやすい形式で確認したい場合(-hオプション)

このオプションは、初心者から上級者まで最もよく使用されます。出力が直感的で、メモリサイズを一目で理解できる点が魅力です。

free -h

出力例

              total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:           7.8G        4.0G        2.0G         98M        1.8G        3.5G
Swap:          2.0G        500M        1.5G

※Mem行 システムの物理メモリの使用状況
※Swap行 スワップ領域の使用状況

サーバーのリソース管理でメガバイト単位を使いたい場合(-mオプション)

メガバイト単位は、サーバー運用でリソース使用量を管理する際によく使われます。

free -m

出力例

                total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:          8000        4000        2000          98        1800        3500
Swap:         2000         500        1500

バイナリ単位ではなくSI単位で確認したい場合(--siオプション)

ディスク容量やデータ転送量と統一した単位で確認したい場合、--siオプションが便利です。

free --si

出力例

                total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:           8.6G        4.3G        2.1G        100M        2.2G        3.7G
Swap:          2.1G        520M        1.6G

ギガバイト単位で大容量サーバーのメモリを確認したい場合(-gオプション)

free -g

出力例

              total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:             7            4            2            0            1            3
Swap:            1            0            1

まとめ

freeコマンドのオプションを使いこなすことで、メモリ使用状況をより詳細かつ直感的に把握することができます。たとえば、日常的な確認には-hオプション、スクリプトや監視では-mオプション、大容量サーバーには-gオプションが適しています。

次のセクションでは、freeコマンドの出力結果の各フィールドの詳細な意味について解説します。

freeコマンドの出力結果を徹底解説

freeコマンドを実行すると、メモリの使用状況が表形式で出力されます。この出力結果は、Linuxシステムのメモリ状況を詳細に把握するための重要な情報が詰まっています。このセクションでは、出力例を用いながら、各フィールドの意味や役割、結果の読み解き方を解説します。

実行結果の出力例

まずは、free -hを実行した際のサンプル出力を見てみましょう。

                 total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:           7.8G        4.0G        2.0G        100M        1.8G        3.5G
Swap:          2.0G        500M        1.5G

このような出力が表示されます。上部にある「Mem」行が物理メモリの使用状況、「Swap」行がスワップ領域の使用状況を示しています。それぞれの列が表す意味を具体的に見ていきましょう。

各フィールドの意味と役割

1. total (トータル容量)

  • システム全体のメモリ容量を表します。
  • この値は、システムに搭載されている物理メモリ(RAM)の総量です。freeコマンドを実行する環境によって異なります。
  • 上記の例では、搭載されているメモリは 7.8GBを示しています。

2. used (使用中のメモリ)

  • 現在使用中のメモリ量を示します。
  • ここでの「使用中」は、アプリケーションで直接利用されているメモリに加えて、バッファやキャッシュに使われているメモリも含みます。
  • この値が大きい場合でも、キャッシュ部分が多い可能性があるため、次の「buff/cache」列と併せて確認する必要があります。

3. free (未使用メモリ)

  • アプリケーションやシステムプロセスで全く使われていない「空いているメモリ量」です。
  • シンプルに「何も使用していないメモリ」を示しますが、Linuxシステムでは未使用メモリは無駄とされ、バッファやキャッシュに積極的に使用されるため、この値が少なくてもシステム的には問題ありません。

4. shared (共有メモリ)

  • 他のプロセスと共有されているメモリ量を表します。
  • 通常、テンポラリファイルや共有メモリセグメントに関連付けられたメモリのサイズです。
  • 多くのシステムでは、この値は小さいことが一般的です。

5. buff/cache (バッファとキャッシュに使用されているメモリ)

  • バッファとキャッシュに割り当てられているメモリの合計です。
  • バッファとはディスクI/O(入出力)を効率化するための一時的な記憶領域のことです。
  • キャッシュとは最近アクセスされたデータやファイルを再利用するために保持しておく領域のことです。
  • Linuxでは、未使用メモリを最大限有効活用するため、この値が大きくなることが一般的です。このメモリは必要に応じて解放され、他のプロセスが利用できるようになります。

6. available (実際に利用可能なメモリ)

  • システムやアプリケーションが実際に使用できるメモリ量を表します。
  • この値は、free列とbuff/cache列の情報を基に計算されています。
  • この値が少ない場合、メモリ不足が発生する可能性があるため注意が必要です。

出力を読み解くコツと注意点

Linuxのメモリ管理には特徴があり、Windowsなど他のOSと異なる考え方があるため、出力結果を正しく理解することが重要です。

  • 「free」が少なくても心配しないこと
    Linuxは、未使用メモリを最大限活用するために、空きメモリをバッファやキャッシュに割り当てます。そのため、「free」の値が少なくても、メモリ不足を意味するわけではありません。「available」列の値を確認する方が重要です。
  • 「available」が少ない場合の対処法
    • メモリ不足が疑われる場合は、次の方法で対処を検討してください。
      • 不要なプロセスやアプリケーションを終了する。
      • キャッシュを手動でクリアする
        sync; echo 3 > /proc/sys/vm/drop_caches
      • スワップ領域を拡張する。
  • バッファとキャッシュは悪者ではない
    システムのパフォーマンス向上のためにバッファとキャッシュが使われていることを理解しましょう。これにより、ファイルアクセスが高速化されるため、特別な理由がない限り、これらを解放する必要はありません。

まとめ

freeコマンドの出力結果は、一見シンプルですが、各フィールドの意味を正しく理解することで、システムの状態を正確に把握できます。特に「available」と「buff/cache」の値を確認することで、メモリが不足しているかどうかの判断を的確に行えます。

次のセクションでは、現場で実際に使用されているオプションや事例について詳しく解説していきます。

現場でよく使われるfreeコマンドのオプションと事例

Linuxシステムの運用現場では、freeコマンドが日常的に利用されています。
以下では、実際の業務で私が使用したオプションや、よく使われるオプションについて解説します。


事例❶システム負荷診断におけるメモリ使用状況の確認

使用コマンド例

free -h

解説
サーバーが遅い、または高負荷がかかっている場合、まず確認すべきはメモリの使用状況です。
free -hを使うと、読みやすいので簡単にメモリの状態を把握できます。

出力例

                 total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:           7.8G        6.5G        500M        100M        1.2G        1.0G
Swap:          2.0G        1.5G        500M

状況の分析と解決策

問題点
この例では、free列が500MBと非常に少なくなっており、availableも1.0GBしかありません。この場合、メモリが不足しつつある可能性があります。

解決策
1.used列が高い場合は、実際にどのプロセスがメモリを消費しているかを特定する必要があります。
以下のコマンドで詳細を確認しましょう。
top
2.不要なプロセスを停止してメモリを解放する。
3.必要に応じて、スワップ領域を増加させる。

この方法は、システム管理者がリアルタイムで負荷の原因を特定する際に非常に便利です。

事例❷サーバー監視時のメモリ使用量の監視

使用コマンド例

free -m | grep "Mem"

解説
サーバーの監視ツールやスクリプトを使用している場合、メモリ使用状況を特定の単位(例:メガバイト単位)で表示するのが効率的です。このコマンドは、free -mでメモリをMB単位で確認し、その中でも「Mem」行だけを抽出する例です。

出力例

Mem:          8000        7500         500        100         400         600

定期的に監視する方法
このコマンドをCronジョブ(Linuxのスケジューリング機能)と組み合わせて、一定間隔でメモリ状況を記録することが可能です。
例えば、1時間ごとにログファイルに出力するスクリプトは以下です。

echo "$(date): $(free -m | grep 'Mem')" >> /var/log/memory.log

この方法により、メモリ使用量の変動を長期的に追跡し、トラブルの予兆をつかむことができます。

事例❸スクリプト内でのfreeコマンドの活用

使用例
シェルスクリプト内でfreeコマンドを使い、メモリ使用量を定期的にチェックしてアラートを出す仕組みを作ることができます。

スクリプトの例
以下は、availableメモリが500MB以下になった際に警告を出すスクリプトの例です。

#!/bin/bash

# メモリの利用可能量を取得
available_mem=$(free -m | grep "Mem" | awk '{print $7}')

# メモリが500MB以下の場合に警告
if [ "$available_mem" -le 500 ]; then
  echo "Warning: Available memory is critically low! ($available_mem MB)"
  # 必要に応じてメールや通知を送る処理を追加
fi

説明

  • free -mでメモリをMB単位で取得。
  • awkを使って、available列(7列目)を抽出。
  • 条件に応じてアラートを出す処理を実行。

このようなスクリプトは、システムの自動監視や障害発生時の早期対応に役立ちます。

まとめ

現場では、freeコマンドの-h-mオプションを活用して、メモリ状況を素早く把握し、問題発生時に適切な対処を行うケースが多く見られます。また、スクリプトと組み合わせることで、自動監視やログ記録を実現することが可能です。

次のセクションでは、freeコマンドを使った利用用途と、具体的な現場事例についてさらに掘り下げて解説します。

freeコマンドの利用用途と実践事例

freeコマンドは、Linuxシステムのメモリ管理やトラブルシューティングにおいて幅広く活用されています。このセクションでは、具体的な利用用途と現場での実践例を紹介しながら、freeコマンドの効果的な使い方を解説します。

事例❶サーバーのリソース状況を定期チェック

サーバー運用では、メモリ使用状況の定期的な確認が不可欠です。特に、長時間稼働しているサーバーでは、メモリリークやキャッシュの蓄積が原因でシステムパフォーマンスが低下する可能性があります。

実際の運用事例

  • システム管理者が日次や時間ごとにfreeコマンドを使用してメモリ使用状況を確認。
  • 必要に応じて、バッファやキャッシュの解放を検討する。

実際に使用したコマンド

free -h

ポイント

  • -hオプションを使用することで、人間にとって分かりやすい形式でメモリ状況を確認できます。
  • 「available」の値が少ない場合、問題の予兆として特に注視します。

事例❷パフォーマンス問題のトラブルシューティング

アプリケーションが異常終了し、調査の結果メモリ不足が原因であると判明したケーズが多くありました。その際、freeコマンドを使用したことでメモリ使用状況を素早く把握することが出来ました。

問題の特定方法

  • freeコマンドで「available」が極端に少ない場合、物理メモリが不足している可能性があります。
  • また、swapの「used」が増加している場合、スワップ領域が頻繁に利用されていることを意味し、これが原因でシステム全体が遅くなることがあります。

解決方法の例

  • 不要なプロセスを終了してメモリを解放する。
  • メモリを増設するか、スワップ領域を拡張する。

スワップ領域を2GB追加する場合のコマンド

sudo dd if=/dev/zero of=/swapfile bs=1M count=2048 sudo mkswap /swapfile sudo swapon /swapfile

使用コマンド例

free -m

ポイント

「used」列だけでなく、「buff/cache」や「available」の値を含めて全体的に分析することが重要です。

事例❸キャッシュクリア後のメモリ確認

Linuxは、未使用のメモリをバッファやキャッシュとして効率的に利用します。ただし、キャッシュが増えすぎてシステムパフォーマンスに影響を及ぼす場合、手動でキャッシュをクリアすることがあります。その後、freeコマンドを使用してメモリが適切に解放されたかを確認することが可能です。

キャッシュクリアのコマンド

sync; echo 3 > /proc/sys/vm/drop_caches

キャッシュクリア後の確認

free -h

出力例(before/afterの比較)

クリア前

 total used free shared buff/cache available Mem: 7.8G 6.0G 500M 100M 1.3G 1.0G

クリア後

total used free shared buff/cache available Mem: 7.8G 4.5G 2.0G 100M 1.3G 3.0G

注意点

  • キャッシュをクリアする行為は、パフォーマンスに一時的な影響を与える可能性があるため、本番環境で使用する場合は慎重に行いましょう。
  • Linuxではキャッシュを活用することが通常の挙動であるため、むやみにクリアするのではなく、本当に必要な場合した方が良いです。

事例❹開発環境での効率的なリソース管理

開発環境では、複数のプロセスや仮想環境(Docker、VMなど)が同時に稼働することが多く、メモリ使用量の増加が問題になることがあります。このような状況でも、freeコマンドを使うことで効率的なリソース管理が可能です。

開発者がメモリを確認するケース

  • 開発中のアプリケーションがメモリリークを起こしていないかの確認。
  • Dockerコンテナや仮想マシンがリソースを過剰に消費していないかのチェック。

使用例
アプリケーションの動作中にメモリ状況を監視する

watch -n 5 free -h
※watchコマンドを使用すると、指定した間隔(この例では5秒ごと)でメモリ使用状況を自動更新して確認できます。

実際の利用場面
大規模なデータ処理を行うアプリケーションを開発している場合、メモリ消費量を監視して効率化のヒントを得ることができます。メモリ不足が発生した場合にスワップ領域がどの程度使用されているかを分析し、アプリケーションの最適化につなげることが可能です。

まとめ

freeコマンドは、サーバー運用や開発環境において、メモリ使用状況を的確に把握し、問題解決に役立つ強力なツールです。サーバー監視やトラブルシューティングだけでなく、スクリプトや自動化ツールと組み合わせて柔軟に利用できます。

次のステップとして、freeコマンドを実際に使用しながら、自分のシステムに最適な運用方法を見つけていきましょう!


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この記事を書いた人!

ゴリタン

インフラエンジニアとして、ネットワークとサーバーの運用・保守・構築・設計に幅広く携わり、
現在は大規模政府公共データの移行プロジェクトを担当。

CCNPやLPICレベル3、AWSセキュリティスペシャリストなどの資格を保有しています。